皆さんは、歯の裏が黒くなっていることでびっくりした!という経験はありませんか?
裏側だから目立たないとはいえ、やはり気になるものですよね。
今回は、「歯の裏が黒い原因」と「黒ずみを改善する治療法」について解説します。
歯の裏が黒い主な原因について
歯の裏が黒いとびっくりしてしまうと思いますが、この原因は1つではありません。
いくつかの原因があります。
黒ずみを改善するためには、まずはそれぞれの原因について理解しておきましょう。
原因を知っておくことで対策を行うことができます。
着色汚れ(ステイン)
まず、大きな原因として挙げられるのが、着色汚れです。
一般的には、ステインとも呼ばれ、簡単に言えば歯の汚れのことなので、虫歯のように痛みなどはありません。
食べ物などに含まれているポリフェノールと歯の表面を覆うペリクルが結びつくことで、ステインとなるのです。
また、ポリフェノールが多く含まれている代表的なものには、コーヒー・チョコレート・カレー・ワインなどがあります。
普段コーヒーをよく飲むという人も多いと思いますが、そのような人はしっかりとしたケアが必要です。
また、喫煙をする習慣がある人の場合には、黒ずみではなく歯の黄ばみに注意しましょう。
虫歯
着色汚れ以外で考えられる主な原因は虫歯です。
虫歯が進行してしまうと、黒く見えることがあります。
着色汚れと大きく異なるのは、痛みを感じる場合があることです。
歯の裏が黒ずんでいて、痛みを伴うという場合には、虫歯の可能性が高いと言えるでしょう。
歯石
歯石と聞くと、白い歯石をイメージする人が多いと思いますが、歯石には黒い歯石もあります。
白い歯石が黒い歯石になってしまうのは出血が関係しています。
出血が頻繁に起こることで、黒い歯石になってしまいます。
そして、頻繁に出血が起こるというのは、歯周病が進行している可能性が非常に高いと言えるでしょう。
健康な状態であれば、黒い歯石が見られるという可能性は低いので、黒い歯石がある場合には、放置せず歯科での診療を受けましょう。
黒ずみを改善する治療法について
黒ずみを改善するためには、原因を特定して、その原因にあわせた最適な治療法を選択することが重要となります。
今回は、主な原因として3つ紹介しましたが、それぞれの原因にあわせた治療方法・対処法を理解しておきましょう。
セルフケア
着色汚れが原因の場合には、セルフケアが重要となります。
ステインは少しずつ蓄積されていくため、毎日のセルフケアが欠かせません。
とくに、コーヒーをよく飲む習慣のある人は心がけておきたいものです。
ただし、セルフケアだけでは汚れを落としきれないことも多いので、定期的に歯科医院へ行き、クリーニングやホワイトニングを受けるのがよいでしょう。
自分では落としきれない汚れを落とすことができます。
とくに、頑固な汚れについては自分で落とすことは難しいので、歯科医師に相談してみましょう
虫歯治療
虫歯が原因で歯が黒ずんでいるという場合には、自分で対応するのは不可能です。
また、黒ずみがみられるということは虫歯が進行している可能性が高いため、放置してしまうと強い痛みを伴うなど、悪化することが予想されます。
そのため、できるだけ早く歯科医院を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。
虫歯が原因であれば、虫歯治療を行うことで、黒ずみを改善することができます。
歯周病の治療
黒い歯石が原因という場合、先述したように歯周病の進行が考えられますので、こちらも放置してしまうのは非常に危険です。
放置することは、大切な歯を失ってしまうことになるだけでなく、その他の部分にも影響を及ぼす可能性があるのです。
例えば、よく言われているのが、糖尿病のリスクを高める、糖尿病が悪化するというもの。
さらに、歯周病によって動脈硬化や認知症のリスクを高める可能性も指摘されています。
そのため、黒い歯石が見られるという場合には、すぐに歯科医院を受診して、専門の歯科医師による治療を受けましょう。
まとめ
歯の裏が黒い原因はいくつかり、着色汚れ・虫歯・歯周病などが主な原因となります。
歯の黒ずみを改善するには、原因を特定して、それぞれにあった適切な治療を行うことが大切です。
とくに、虫歯や歯周病は放置すると危険ですので、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会