虫歯予防として知られている「フッ素」についてですが、どのような仕組み・効果があるのか、知っていますか?
「なんとなく効果がありそうだけど、詳しくはよくわからない」という人も多いでしょう。
今回のコラムでは、フッ素による虫歯予防について、仕組み効果、使い方について解説します。
フッ素による効果について
虫歯予防と聞くと、多くの人がイメージするのが「フッ素」を活用した予防です。では、フッ素により、どのような効果があるのでしょうか?
具体的には、次のような効果があると言われています。
● 虫歯菌による攻撃をブロック
まず、期待できる効果として挙げられるのが、虫歯菌による攻撃から歯を守るという効果です。虫歯は、虫歯菌による酸が原因となっていますが、フッ素を用いることで虫歯菌の働きを抑制し、酸の生成を抑える効果が期待できます。そのため、虫歯菌による攻撃から、大切な歯を守ることができるのです。
● 再石灰化の促進
これは、簡単に言えば、歯の修復を促進するというものになります。初期の虫歯であれば、この効果によって、自然に修復される可能性もあります。
● 歯質を強化する
フッ素が歯のエナメル質に取り込まれることで、酸に強い構造へと変化します。これにより、歯そのものの耐酸性が高まり、虫歯になりにくい状態をつくることができます。
フッ素が虫歯予防に役立つ仕組み
上記の3つの効果により、フッ素は以下のような働きを通じて虫歯予防に寄与します。
- 虫歯菌が酸を作りにくい口腔環境を整える
- 初期虫歯を自然修復するプロセス(再石灰化)をサポート
- 歯のエナメル質を強化し、酸への抵抗力を高める
このように、フッ素は「守る」「修復する」「強化する」という3方向から歯を守る働きがあるのです。
フッ素の使い方について
具体的なフッ素の使い方についてですが、よく知られている使い方としては、セルフケアとフッ素塗布です。
フッ素配合のもので、多くの人が使用しているものには、歯磨き粉があります。フッ素配合の歯磨き粉を使用したセルフケアを行うことが可能です。
もう1つよく知られている方法には、フッ素塗布があります。これは、そのままの意味で歯科医院にて、歯科医師に塗布してもらうという方法です。フッ素塗布を希望する場合には、お近くの歯科医院に相談してみましょう。
セルフケアとフッ素塗布の違い
フッ素の使い方として、セルフケアと歯科医院でのフッ素塗布について解説しました。ここで気になるのが、2つの方法の違いについてです。どのような違いがあるのでしょうか?
項目 | セルフケア(歯磨き粉) | 歯科医院でのフッ素塗布 |
---|---|---|
フッ素濃度 | 最大1450ppm | 約9,000ppm |
使用頻度 | 毎日 | 3~6か月ごとに1回 |
効果 | 緩やかな予防効果 | 高い予防効果 |
対象 | 全年齢(年齢に応じた濃度使用) | 主に虫歯リスクが高い人や成長期の子ども |
上記のように大きな違いとして挙げられるのが、フッ素の濃度の違いです。数値を見ても明らかなように、歯科医院の方が、フッ素の濃度が高く、虫歯予防効果に期待できると考えられるでしょう。
ただし、注意しなければいけないことがあります。それは、濃度が高ければよいということではないということ。推奨される濃度や使用する量については、歯科医院などで相談してみるとよいでしょう。
フッ素の過剰摂取には注意が必要
フッ素は虫歯予防に効果を期待できますし、比較的安全なものとされています。しかし、使用方法や適切な量を守らないと、中毒症状を引き起こす可能性があるのです。とくに、虫歯予防効果に期待して、過剰摂取することなどは非常に危険と言えます。大量に摂取してしまうと、急性中毒の危険性がありますし、慢性中毒を引き起こす可能性もあるのです。
フッ素配合の歯磨き粉などを使用する場合には、注意書きをしっかりと読み、正しく使用することが重要となります。分からない点や不安な点などは、歯科医師などに相談するのもよいでしょう。
まとめ
フッ素は、虫歯菌の働きを抑え、歯を修復・強化するなど、多方面から虫歯予防に役立つ成分です。市販の歯磨き粉による日常的なセルフケアに加えて、歯科医院でのフッ素塗布を併用することで、より高い効果が期待できます。
ただし、フッ素の使用は年齢や虫歯リスクに応じて使い分けることが大切です。安全に効果的な虫歯予防を行うためにも、気になることがあれば歯科医師に相談しましょう。
この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会