皆さんは、日常生活の中で、「エラが痛む!」という経験をしたことはありませんか?
今回のコラムでは、「エラが痛いときの原因と対処法」について解説します。
痛みの原因は、1つではなく複数あるという点にも注意が必要です。
目次
エラが痛む原因は1つではない
日常生活の中で、「エラが痛む!」という経験をしたことがあるという人も多いと思います。
では、どのような原因で痛むのでしょうか?
結論から言えば、原因は1つではなく、複数あるということです。
主な原因として考えられるのは、次のようなものになります。
顎関節症(がくかんせつしょう)
「口を開けると痛みが出る!」「口が十分に開かない!」このような症状が見られる場合には、顎関節症の可能性が考えられます。
一般的には、虫歯や歯周病などの歯科疾患がよく知られていますが、実は、顎関節症の患者数も多くなっているのです。
一般社団法人 日本顎関節学会の資料によると、患者数は約1,900万人と推測されています。
親知らず
顎関節症以外の原因として考えられるのが、親知らずによるものです。
親知らずの生え方によっては、周囲の歯などに悪影響を及ぼす可能性があります。
よく起こるのが、炎症で炎症を起こしてしまうと、痛みを感じる場合があるのです。
虫歯や歯周病
エラが痛くなる原因として、顎関節症や親知らずを挙げましたが、その他で可能性が高いのが、虫歯や歯周病による影響。
例えば、奥歯が虫歯になってしまうと、エラが痛くなることがあります。
ただし、虫歯の初期の段階であれば、大きな痛みを伴うことはあまりなく、エラが痛いと感じるのであれば、かなり虫歯が進行していると考えられるため、できるだけ早く治療が必要です。
痛み以外にも見た目が変化するリスクがある
エラが痛いと感じる場合には、そのまま放置してしまうのは危険です。
痛みがあるというのも大きな問題ですが、痛み以外にもリスクがあるからです。
そのリスクとは、見た目が変化してしまうリスク。
炎症などを起こしている場合には、痛みが出るだけでなく、エラの部分が腫れてしまうことがあります。
腫れてしまうと、自分が気になるというだけでなく、周囲の視線も気になることでしょう。
そのため、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。
学校や会社などでも周囲の視線が気になって集中できなくなってしまう可能性もあります。
ですから、エラが痛いという場合には、放置するのではなく、しっかりとした対応が必要です。
エラが痛い時の必要な対処法
エラが痛いという場合には、まずはその痛みの原因を特定することが重要となります。
その理由としては、それぞれの原因によって対処法が異なるためです。
ですから、原因を特定することが重要となります。
自宅でできる対処法
原因を特定して、痛みを取り除くための治療を行うのが大切ですが、さまざまな事情によって、すぐに歯科医院に行けないという場合もあるでしょう。例えば、大型連休や年末年始などで、歯科医院がやっていないという場合、仕事の都合で行けないなどの場合です。このような場合には、自宅でできる対処法について知っておきましょう。
● 冷却シートなどを使い冷やす
自宅でできる対処法として挙げられるのが、冷却シートなどを使って冷やすというものです。冷却シートは、エラの部分に直接貼ることができるため、便利ですし、冷やすことで一時的に痛みを緩和できる場合があります。
● 市販の鎮痛剤を服用する
冷やす以外で、自宅でできることとしては、市販の鎮痛剤を服用するというものです。ドラッグストアでは、そのような鎮痛剤が販売されているため、鎮痛剤を購入して服用するのも一時的に痛みを緩和するには有効です。ただし、注意しなければいけないのは、あくまでも効果は一時的ということです。鎮痛剤の効果により、痛みが緩和されると、治ったと感じてしまうかもしれませんが、根本的な原因を取り除いたわけではないので、痛みが再発する可能性があります。
● 歯をみがく
歯をみがくというのも1つの対処法です。歯磨き粉には、さまざまな成分が配合されており、一時的に痛みを緩和できる場合があります。また、歯磨きによって口の中が清潔になることで、症状が改善できる場合もあります。ですが、こちらも根本的な解決にはならず、あくまでも一時的な効果にしかなりません。
歯科医院を受診する
エラが痛いと感じた場合には、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
専門的な知識を持つ歯科医師であれば、痛みの原因を特定して、原因ごとに必要な治療を提案してくれます。
ですから、痛みが出た場合には、できるだけ早く歯科医院へ行きましょう。
また、痛みが出ていなくても、定期的に歯科医院で診察を受けるのがおすすめです。
定期的に診察を受けることで、虫歯などの早期発見・早期治療につながります。
まとめ
エラが痛いという場合には、さまざまな原因が考えられるため、できるだけ早く原因を特定して、治療を行うことが大切です。
すぐに歯科医院に行けないという場合には、自宅でできる対処法を確認しておきましょう。
ただし、対処法は一時的に痛みを緩和するだけなので、できるだけ早く歯科医院へ行くことが大切です。
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この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会