西本歯科医院ブログ

2025.12.05

根管治療と抜歯どっちが良い?特徴・メリット・デメリットと判断基準を解説

根管治療と抜歯どっちが良い?特徴・メリット・デメリットと判断基準を解説

皆さんは、「デュアルホワイトニング」という言葉を聞いたことがありますか?
今回のコラムでは、デュアルホワイトニングの効果・費用・メリットについて徹底解説します。
ぜひ、チェックしてみましょう。

歯科治療における根管治療と抜歯

虫歯治療は「ドリルで削って詰め物をする」というイメージがあると思います。

症状次第ではそれで治療が完了することもありますが、重度の場合はそれだけでは済まないケースも少なくありません。

虫歯は進行度合いによってC1からC4までの4段階に分類され、重症度の高いC3およびC4では「ドリルで削って詰め物」では治療できないのです

根管治療とは

デュアルホワイトニングで最も気になるのは、その効果です。
どのくらいの期間、効果が持続するのか、については個人差がありますが、一般的には1~2年程度継続します。

また、効果についてはメンテナンスの頻度によっても大きく異なります。
定期的に歯科医院でメンテナンスを行えば、より効果を長く持続できる場合がありますし、メンテナンスを怠っていると通常よりも短い期間で効果を失われてしまうこともあります。

デュアルホワイトニングの費用ついて

根管治療とは、虫歯が歯の神経にまで及んでいる場合の治療法です。
C3のように歯の神経に虫歯の影響が及んでいる場合、治療のために神経を取り除く必要があります。
必要な除去が終わったら、根管と呼ばれる部分を洗浄・消毒して、歯に被せ物をして治療は完了です。
神経などの状態を歯科医師が確認し、それに合わせて治療方法を患者さんに提示します。
その判断基準は担当医により差がありますので、抜歯しか選択できないと言われた症状でも、別の歯科医院では根管治療が選択できると判断される場合があります。

抜歯とは抜歯とは、文字通り問題のある歯を抜いてしまう治療方法です

虫歯の中で最も重症なC4の患者さんで選択される治療法であり、被せ物などで機能回復できないほど歯の保存が困難な症例で用いられます。
C4の段階になると痛みを感じない患者さんも多いですが、放置すると虫歯菌が神経や血管に入り込んで別の病気の原因になるので、抜歯してしっかりと治療しなければなりません。
根管治療と違って歯が一切残らないので、抜歯後は入れ歯やインプラントなどで機能回復を目指します

根管治療が必要な理由(特徴・メリット・デメリット)

根管治療には「歯が一部でも残せる」というメリットがありますが、痛みや治療期間などデメリットも無視できません。
そのため「面倒だから抜歯でいいや」と思われる患者さんも多いですが、根管治療を選択することにも重要な意味があるのです。

根管治療の治療内容とメリット

前述の通り、根管治療は虫歯の浸食を受けた歯の神経を取り除き、洗浄・消毒したうえで被せ物をする治療方法です。
抜歯と比較して「自分の歯が残せる」ことは大きなメリットなのですが、一方で治療期間および通院回数が多くなることや、完治の成功率などの問題がデメリットとして無視できません。

それでも、根管治療が選択できる症例であれば、以下のメリットを得られる可能性があるのは重要です。

・嚙む力など機能面や感覚が自然な状態を維持しやすい
・入れ歯やブリッジなどの治療方法と比較して周囲の歯に悪影響が少ない
・「歯を抜く」ことへの抵抗感が発生しない

C4になると抜歯以外の選択肢が難しくなりますが、担当医が根管治療も選択肢に入ると判断した場合は、これらのメリットを踏まえつつ治療方法を決めてください。

根管治療の成功率

根管治療のデメリットの1つに「成功率の低さ」が挙げられます。
これは、問題のある神経を十分に取り除けなかったり洗浄・消毒作業が不十分であったり、被せ物などが合っていなくて細菌が侵入したりして再発することが原因です。
根管治療の成功率はケースバイケースですが、一般に3割から5割と言われています。
つまり、根管治療で完治する可能性は半分以下となり、治療期間中に痛みを感じるリスクがあるだけでなく、再発時にも痛みを伴う可能性が高いでしょう。

また、根管治療は歯科治療の中でも難易度が高い方であり、担当医の技量や経験に影響を受ける部分が多いと考えられます。

患者さんの症例も踏まえると根管治療の成功率に関係する条件は複雑化するため、根管治療を希望する場合は通院先や治療方法を検討することも重要です。

根管治療が長引く理由

根管治療のデメリットの1つに「治療期間が長引きやすい」ことが挙げられます。
これは、根管治療を選択する症例の場合、治療のために取り除く部分が多いのと同時に、それが複雑なので何度も通院しなければならないことが原因です。
症例次第では1カ月未満で治療が終わることもありますが、多くの場合は1カ月以上にわたって何度も通院しなければ治療できません。
また、症例次第ではさらに多くの時間を必要とする場合もあり、特に再治療のケースであれば初回の治療より長引きやすいです。

根管治療の最新の治療法

根管治療の「再発率」や「治療期間」のデメリットは、従来の治療方法により発生リスクが高い状態でした。
しかし、近年の新しい治療方法であれば、より効果的な根管治療を実現することも可能です。

例えば、従来の保険診療での根管治療は担当医が肉眼で歯の状態を確認しますが、近年はマイクロスコープやCTなどの機材を利用することで、より精密に歯や神経の状態を確認して治療できる歯科医院も増えました。
一度の治療で再発の原因となる細菌などの問題をしっかりと除去できるため、1回あたりの治療時間が長引く可能性はあるものの、通院回数を抑えられるので治療期間は短いことも多いです。
こうした新しい治療方法の中には、保険診療で認可されていない内容も含まれており、その場合は自由診療なので治療費が高額になりやすい点は無視できません。

しかし、自由診療は治療内容の選択肢が広く、保険診療では使えない治療器具や歯科材料(被せ物の素材など)も使用できるので治療の質を高められます。
もちろん、担当医の技量や知識量が重要であることには変わりないため、自由診療だからといって確実に高品質な根管治療を受けられる保証はありません。

新しい方法を採用した根管治療を視野に入れる場合は、治療内容だけでなく担当医や歯科医院全体の評価についてもしっかり調べておくことをおすすめします

まとめ:根管治療か抜歯かの判断は特徴を把握して慎重に検討

根管治療や抜歯が必要になるほど重症化した虫歯は早めに治療したいところですが、選択肢がある場合はどの治療方法にするか迷うこともあるでしょう。
根管治療は自分の歯を残せることがいくつかのメリットをもたらしますが、無視できないデメリットがあることも事実です。
そのため抜歯で完結させてしまいたい気持ちも理解できますが、一度抜歯してしまえば元の状態に戻すことはできません。
最新技術や自由診療なども視野に入れつつ、根管治療と抜歯のどっちにするべきか、歯科医師と相談しつつ検討してください。

この記事の著者

院長・歯科医師 西本雅英

院長・歯科医師 西本雅英

略歴

平成2年

大阪大学歯学部卒業
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了

平成9年4月

西本歯科医院開業
所属学会

日本歯科審美学会

大阪大学歯学部同窓会学術委員会副委員長

日本顎咬合学会

日本歯科無痛治療協会

日本顕微鏡歯科学会

アートオブデンタルエステティック

京阪神咬合臨床研究会